あげ塩 まめ知識

食塩
一般的に販売されている塩です。イオン交換膜透析法により、ナトリウムイオンとカリウムイオン抽出、濃縮し、真空蒸発缶により煮詰めて作られます。ミネラル等の添加はありません。

天日塩
海水を塩田や流下式により濃縮し、太陽光と風だけで数ヶ月かけて結晶化させた塩になります(加熱は行いません)。

平釜塩
海水を塩田や流下式により濃縮し、平釜で煮詰め結晶化させた塩になります。

再生加工塩(イオン交換塩加工)
イオン交換塩ににがり等のミネラルを添加して成分調整を行った塩になります。

塩の人 サラリーマン
給料という意味の「salary」は、ラテン語の「sal(塩)」「Salarium(塩の)」が語源になっています。最初は、塩を買うために兵士に与えられたお金を示す言葉であり、その"塩のお金"が後に、兵士に限らず一般の俸給や給料を言い表すようになりました。 なお、兵士たちの給料として塩が与えられたという説もあります。

塩とサラダ
サラダの語源は、ラテン語の「サル(Sal)」で塩のこと。
ヨーロッパでは、古くから生野菜に塩をかけて食べる習慣があったようで、サラダは本来塩で調理したものという意味ですが、いつしかサラダという料理そのものを指すようになりました。

塩とスイカ
スイカに塩をふると甘くなります。塩味と甘味が一緒になると、塩味は甘味を強めます。

塩の賞味期限
塩は生物からできていない無機物で腐らないため賞味期限はありません。ただし、有機物が混合されているごま塩や塩コショウなどは、賞味期限があります。

塩の保存
塩は湿気やにおいを吸収しやすい性質があります。容器に入れて密閉保存する必要があります。
 塩の用途は非常に幅広く、食用から工業用まで、医薬用から融氷雪用まで直接的、間接的に使われ、14,000件もあると言われています。衣・食・住の総ての分野に関連して使用されています。 下記のように塩の用途を分類します。

1.食品用
・家庭調理用
・食品保存用(水産): 野菜や果実の漬物(たくあん漬け、梅漬・梅干、福神漬、その他)、魚介類・海藻の塩蔵
・発酵食品用: 味噌、醤油、魚醤、塩辛、くさや、塩麹、チーズ
・家庭調味料: ソース、マヨネーズ、トマトケチャップ、酢、スープ、寿司酢
・小麦粉:   麺類(うどん、そうめん)、パン、菓子
・加工食品用: 乳製品(バター、チーズ)、肉製品(ハム、ソーセージ)、魚肉練り製品(かまぼこ)、缶詰、その他スープの素等

2.工業用(ソーダ工業除く)
染料・顔料、化学薬品、合成ゴム、油脂等の製造、皮なめし、イオン交換樹脂の再生、製糖、窯業、鉱業、染色、その他

3.ソーダ工業用(塩を原料として苛性ソーダ、塩素、炭酸ナトリウムを製造する工業)
ガラス製品、パルプや紙、レーヨン等の化学繊維、塩ビ等のプラスチック、石鹸・洗剤、有機材料、塩酸・さらし粉等の無機材料、半導体シリコン等の電子材料等

4.動物飼料用
動物飼料

5.医薬用
局方塩、生理的食塩水、リンゲル液、腎臓透析液等
例えば、ヨード欠乏症に対するヨード添加塩、虫歯予防に対するフッ素添加塩、女性の貧血防止に対する鉄添加塩など
塩の薬利効果を利用して皮膚病、喘息などの病気治療、塩分補給は熱中症の予防、塩はスポーツ用のミネラル補給飲料の主成分、魚の皮膚病、農作物の病気治療等使用

6.融氷雪用
塩と水槽の金魚
弱っている金魚の水槽に塩を入れると、金魚が元気になります。塩を入れることでミネラルが補給され、免疫力が高まり元気になります。

塩とナメクジ
ナメクジの体は、約90%が水分でできており、塩は水分を吸収する性質があるためナメクジは小さくなります。砂糖は塩ほどではありませんが同じ性質を持っているため、砂糖でも小さくなります。きな粉では、小さくなりません。小麦粉でも、小さくなりにくいです。

塩と動物
肉食動物は、獲物の肉や血液などに含まれている塩分をとります。草食動物は、えさとなる草にはほとんど塩分が入っていません。そのため、野生の草食動物は、遠い道のりを歩いて、塩水の泉を飲んだり、塩分の含んだ土のある場所に塩をなめに行きます。牧場で飼われている牛などは、塩のかたまりを与えたり、えさに塩をまぜ与えたりしています。
塩のはたらき
汗をかいたら塩分も必ず補給といわれるように、塩は、人間の生命活動になくてはならない成分です。塩の化学記号は「NaCl」。すなわちナトリウム(Na)と塩素(Cl)から成り立っています。食物として摂取された塩は、ナトリウムと塩素になって体内に吸収されます。そして、ナトリウムは、細胞の浸透圧を調節したり、筋肉の収縮、神経の刺激伝達などにはたらきます。塩素には消化に必要な胃液成分・塩酸を作るという大切な役割があります。そして、消化を促進するのもナトリウムのはたらきになります。
塩分が足りなくなると、

1.新陳代謝が弱る
細胞は、浸透圧で栄養と老廃物を入れ替えています。塩が足りないと新陳代謝が悪くなり、肌がカサカサになったり、病気や老化の原因になります。

2.筋肉がけいれんする
「こむら返り」は、汗をかいて塩分が不足することが原因の一つと言われています。心臓も筋肉で動いているので、痙攣(けいれん)を起こすことになります。

3..腎臓が弱る
体内の塩分が不足すると、腎臓は尿の中に出した塩分を再吸収して体内に戻そうとします。そのため、腎臓が過労状態になります。また、尿の量も減るので、老廃物の排泄が十分に行えなくなるといったこともあります。

塩と細胞
人間の体をつっている細胞は、細胞外液という液体の中に浮かんでいます。この細胞外液に含まれる塩分によって、細胞の中と外の体液濃度のバランスが、一定に保たれています。バランスが崩されると、細胞は、ちぢみすぎたり、ふくらみすぎたりすて、正常に活動できません。

塩と神経
神経の細胞は、「熱い」「痛い」甘い」などの刺激を脳に伝えたり、運動の命令を脳から筋肉に伝えたりしています。刺激や命令は電気信号になります。神経細胞が電気信号を伝えるときに、ナトリウムがはたらいています。

塩と胃
食べたものは胃に入り、胃液によって分解されます。胃液の成分は塩酸です。塩酸は、体液の中の塩素からつくられます。

塩と小腸
小腸では、でんぷんやたんぱく質などの栄養素を分解して吸収します。吸収する時にナトリウムが活躍します。体内に塩分がなっかったら、栄養素を吸収できず、生きていくことができません。

塩と高血圧
人間の体液は塩分濃度が決まっているため、それを超える塩分を摂取してしまうと、その濃度を薄めようとして水分がほしくなります。そして、余分な塩分と水分をとれば体液(血液)が増えます。心臓や血管には、血液は一定の容量しかありませんから、その中の血液が増えすぎてしまうと、血管が押し広げられ、血圧も上がってしまいます。さらに、塩に多く含まれているナトリウムは、交感神経にはたらいて、血管を収縮させるため、ますます高血圧になってしまいます。
青菜に塩(あおなにしお)
青菜に塩をかけると、葉や茎に含まれた水分が外に吸い出され、しおれてしまうことから急に元気をなくしてしょげるさま。

塩梅(あんばい)<中国>
ほどあい。かげん。宋の時代の成書に「塩多ければ鹹、梅多ければ酸、両者半ばすれば塩梅なり」という一節があり、この塩梅が発展して、物事の調和を表すようになった。

痛む上に塩を塗る/傷口に塩
痛い傷口の上に塩を塗れば、しみて一層痛くなることから悪いことの上に、さらに悪いことが起こって辛さが増すことのたとえ。

一番うまくて、まずいもの
かの徳川家康はある日、側に仕える阿茶の局(つぼね)に「この世で一番うまいものは何か?」と尋ねると局は「それは塩です。山海の珍味も塩の味付け次第。また、一番まずいものも塩です。どんなにうまいものでも塩味が過ぎると食べられなくなります。」と答えた。
塩はさじ加減ひとつで、他のものの味を引き出す。指導者もまた、家臣の心を巧みにとらえ能力を引き出すことが肝心。
家康は、局の言葉に深く感銘し、以後教訓としたという。

痛む上に塩を塗る/傷口に塩
痛い傷口の上に塩を塗れば、しみて一層痛くなることから悪いことの上に、さらに悪いことが起こって辛さが増すことのたとえ。

あけずの塩買い(◇とんぼは塩好む)
使いに出てなかなか帰ってこないこと。

うまいまずいは塩かげん
調味料もいろいろあるが、微妙な違いで塩ほどに味を左右させる調味料は他にない。「包丁10年、塩味10年。」と言われるように、塩の味つけをマスターするには、よほど熟練を要するらしい。味のきめては塩かげんであるという意味。

閻魔が塩辛を嘗めたよう
痛にがむしをかみつぶしたようなむずかしい顔をたとえていう。 ◎「閻魔が塩辛を嘗めたよう」「閻魔が抹香を嘗めたよう」とも言う。

河童に塩を誂える(かっぱにしおをあつらえる
海でとれる塩を、川に住む河童に注文することから見当違いの注文をするたとえ。

河童に塩頼む
当てにあてにならないこと。

切り身に塩/切り目に塩
災難の上に、さらに手痛い災難を受けるたとえ。

強飯に胡麻塩
鬼に金棒。

塩売っても手を嘗める(しおうってもてをなめる)
塩売りが手についた塩を無駄にするのを惜しんでなめることから①商人が商い物を少しも無駄にしまいとすること、あるいは②つまらないことにまで気を使ってけちけちすることのたとえ。

塩が浸む(しおがしむ)
世の中の苦労を体験すること

塩辛食おうとて水を飲む
塩辛を食べるとのどが渇くだろうと、前もって水を飲んでおくことから手まわしがよすぎて、かえって効き目がなかったり、間が抜けていたりすることのたとえ。
手まわしのよいのも事と場合によるということ。

塩たらず
塩はほどよい量を使わないと食べ物の持ち味を引き出せない。
塩が足りないと間のぬけた味になってしまう。これが転じて、人がのろのろしていること、能力が低いことを表す。また、「塩気がぬけた人」とは、もうろくした人を示す。

塩にて淵を埋む如し(しおにてふちをうずむごとし)/淵に塩(ふちにしお)
(無謀にも塩で深い水たまりを埋めようとすることから)全く不可能なこと、してもしがいのないことのことのたとえ。
また、次から次へと消えてしまって、たまることないさま。

塩は食肴の将、酒は百薬の長(中国)
前漢書の『食貨志』にある言葉。塩は、ほかのものの味を引き出し、うま味を増すこの世で最高の食べ物。
酒は、適度に飲めばどんな薬よりも効き目がある一番の薬、という意味。
    
塩も味噌もたくさんな人
(日本人の食生活にとって、塩や味噌はなくてはならない大切なものであるところから)確実な人を表す言葉。
ヨーロッパにも似たことわざに「塩の豊かな人」があり、この場合もすぐれた人、教養のある人を表現するときに用いる。

しおらしい
控え目で慎み深く、可愛らしいこと。
封建時代、塩が手に入りにくかった百姓の女たちはたびたび、出陣する武士が持つ塩包みに目をつけて言い寄った。しかし彼女たちの態度はいかにも恥ずかしそうで、塩欲しさの素人の言い寄りとすぐに見破ることができた。「しおらしい」とは、"この塩が欲しいんだなと察しがついていた"が転じた言葉。

塩を売れば手が辛くなるしおをうればてがかゆくなる)
塩売りの手が辛くなるように職業上の習慣が身について、第二の天性のようになることのたとえ。

塩を踏む
世の中に出て苦労を重ねる。

塩食った報い
悪いことをしたために、自分の身に受ける苦しいむくい。

地の塩
塩が食物の腐るのを防ぐことから、少数派であっても批判的精神を持って生きる人をたとえていう。

敵に塩を送る
敵対する相手が困っている時に助けの手をさしのべることのたとえ。敵の窮地を救うこと。
戦国時代、今の山梨県と長野県周辺に領地を持つ武田信玄は、塩を輸送している道を閉ざされ、塩の欠乏に苦しんでいた。
そこで、海に近い上杉謙信は、敵の信玄を攻める最大のチャンスにあえて戦をせず、逆に塩を送って助けたという。
この戦国美談が後世に語り継がれ、ことわざとなった。

手塩にかける
自ら世話をしていつくしみ育てるの意。
自分の手で塩をふり時間をかけて漬け込む漬物や、掌いっぱいに塩をつけて握りしめるおむすびのように、昔から手に塩をつけて丹念にものを作る行為には、愛情が込められている。

手前味噌で塩が辛い(てまえみそでしおがからい)
自分がつくった味噌だと塩辛くても本人だけはおいしいと思っているということから自慢ばかりするので聞き苦しいことのたとえ。
自分の作った味噌なら、たとえ塩辛くてもおいしいと感じることから、自分のやったことなら、何でも良いと思うこと。
自分の都合のいいように解釈すること。「我田引水」と同じ意味。

蛞蝓に塩(なめくじにしお)
(なめくじに塩をかけると縮むことから)すっかり元気がなくなることのたとえ。
また、苦手なものの前に出て萎縮してしまうことのたとえ。
熟れてのちは薄塩(なれてのちはうすじお)
漬物はまず濃い塩で漬けておいて、よく漬かったら薄塩で漬け直すのがよく、人との交際も同じで、互いに馴れてからは少し淡白なくらいにしたほうがうまくいくということ。
なお、交際は始める時には最初から甘い顔を見せない方がよいという意にとる説もある。

ねずみが塩を引く/ねずみが塩を嘗める
(1)ねずみが一度に持っていく塩の量はわずかだが、度重なると大量になることから些細なことでも何回も繰り返すと大変なことになるということ。
また、大量にあったものが少しずつ減っていって最後にはなくなってしまうたとえ。
(2)(ねずみが塩を持っていく様子から)びくびくしながらこっそりと行う様のたとえ。

蛭に塩(ひるにしお)
ひるは塩をかけられると縮んで死んでしまうことから)忌み嫌う苦手なものに直面して縮こまることのたとえ。また、弱って足腰が立たなくなることのたとえ。

米塩の資(べいえんのし)
米と塩は、生きていくうえで、食生活に於いて不可欠であることから、生計を立てるための費用、生活費のことをいう。

味噌に入れた塩はよそへは行かぬ
味噌をつくるときに加えた塩はやがて見分けられなくなるが、味を調えるために役立っているの意から他人のために手助けしたことは、その場で無駄なことのように思われるが、後になってみると結局は自分のためになっているものであるという教え。

(出典:旺文社『成語林』、三省堂『大辞林』)

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